展覧会の記録|exhibition archives 2017

「野中 梓 展」

2017年10月30日(月)〜11月4日(土) Oギャラリーeyes

 

 絵の中で色が、ただ色であると同時に、それが厚みを持った物質である事・画布にこすりつけた絵具である事に興味を抱いている。

 学生の頃、課題で自画像や裸婦など人の肌を見て描く事が好きだった。血の赤、静脈の青、肉の黄。描く最中にはそんな風に切り分けて考えているわけではないが、パレットには様々な色が並んでおり、それらを混ぜたり、また画面上で塗り重ねたりしながら、絵の中の肌が出来上がっていく。その中で「白」は、皮膚の色であるような、またはその表面に当たる光のような役割を持っていたように思う。

 人の肌を引き合いに出しておきながら、ここ数年間描いているのは壁面や洗面台、布などである。扱うモチーフが異なるため、何をしているのかと疑問を持つ人もいるかもしれない。しかし上記のような色と絵具の関係性は、たとえモチーフが違っても油絵を描く過程で重要な出来事と捉えている。

2017年 野中 梓




「Between the scene and the form 2017 高岡美岐・野中梓」

2017年12月18日(月)〜12月24日(日) Oギャラリー